こんにちは!子宝妊活アドバイザーの山盛です。
今回は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)についてお話していきたいと思います。
PCOSでお悩みの方は非常に多いと思います。
ご相談も良く頂きますので、PCOSについての解説+改善策と体質改善についてお話します!
まずPCOSの症状についてお話します。
〇月経周期が長くなる
通常健康な状態ですとだいたい28日前後位で月経が来ます。
しかし、PCOSの方は40日以上、または2ヶ月以上生理がこないようなこともあります。
〇生理痛が酷い、生理出血量が多い
〇ホルモンのバランスが崩れる
男性ホルモンの分泌が多くなってしまう影響で、体毛が濃くなる・肌の調子が悪くなる・ニキビが出来やすいなどの症状があげられます。
こういったところが総合的に関係して排卵障害が起こります。
妊活している方にとっては、この排卵がうまくいかないという事が問題になってきます。
次に排卵障害について少しお話したいと思います。
まず排卵が卵巣の中でどのように起こっているかというと、卵巣の中にはたくさんの大きさの卵があります。
原子卵胞・全胞状卵胞・胞状卵胞といった成長度合いが違う卵が色々あります。
そして、胞状卵胞というのが今週期に排卵する可能性のある卵になります。
病院に行かれている方は生理3日目位にエコーをとると今週期に排卵する可能性のある卵を確認する事ができます。
この胞状卵胞の中のひとつが選ばれ、主席卵胞としてたくさん栄養ホルモンを受けて成長し、20mm前後になったら排卵していきます。
しかし、PCSOの場合、胞状卵胞の中から代表がひとつ選ばれない状態です。
どういうことかと言うと、
主席卵胞を選ぶことが出来ずにそれぞれの卵がみんな同じように成長しようとしてしまいます。
そうすると、主席卵胞がたくさん受け取ることが出来ていたエネルギーや栄養をみんなで取り合っている状態になります。
みんなで栄養を取り合っているため、それぞれの卵の成長も悪くなり未熟な卵になり、うまく排卵出来ません。
こういった状態の卵は排卵する力が弱く卵巣を突き破る事が出来ないので卵巣の中に溜まった状態になります。
なので、PCOSの方は、病院でエコーをとったりすると卵が卵巣の壁の周りを取り囲んだ状態【ネックレスサイン】が見受けられます。
そして、上手く排卵できなかった卵は排卵できなかっただけでなく、うまく身体に吸収されることもなく次の周期に残ってしまうこともあります。
やはり古い卵になってくるのであまり状態も良くないと考えます。
こういう卵巣の状態も影響してホルモンバランスも乱れてしまいます。
クリニックでは生理3日目に採血をすることが多いと思います。
採血をしたときに、
FSH(卵胞刺激ホルモン)・LH(黄体化ホルモン)・E2(エストラジオール)などの値を調べるのですが、
PCOSの方と健康な状態の方のホルモン値と比べると、
FHS(卵胞刺激ホルモン)卵を育てるホルモンは変わりませんが、LH(黄体化ホルモン)やE2(エストラジオール)は高い数値を表してきます。
・LHは排卵を促すホルモンとなります。
通常生理3日目だと、これから排卵に向けて卵を育てていく時期になります。
大体20mmで卵が排卵しますが生理3日目だとまだ20mmには程遠い大きさです。
LHは排卵を促すホルモンで、通常卵が成長した頃に排卵を促しますので、この時期にLHが高いと健康な状態ではありません。
卵巣の中にたくさん卵が溜まっている状態が生理3日目に起こっているということです。
身体としては、卵巣の中に卵がたくさん溜まっているからそれを外に排卵させたいので、
通常健康な状態の方で28日周期と考えると13~14日位にLHの値が高くなりますが、生理3日目で既に高い状態ということが分かります。
・E2は卵から出てくるホルモンです。
卵が成長するに従って分泌量が増えていきますが、先程とおなじようにまだ卵が育っていない時期に分泌量がたくさんあるという事は、
成長している卵がある、もしくは未成熟の卵だったとしてもたくさん溜まっている状態なのでそれらが合わさってたくさんの分泌量になるためE2が高くなります。
卵が卵巣の中に残っている状態をLH・E2の値で示します。
また、PCOSの方は血糖値が高くなる傾向があります。
血糖値が高くなると血糖値を下げるためのホルモン(インスリン)が多く分泌されます。
インスリンの分泌量が多くなると男性ホルモン(アントロゲン)の濃度が高くなります。
男性ホルモンが高くなると、先程お話したように、体毛が増える、肌の調子が悪くなるということもありますが、
やはり卵胞の発達に関係して卵の質も低下してしまいます。
病院でのPCOSの治療としては、ピルを使って卵巣を一度リセットします。
また、誘発剤を使って卵を育てる事を手伝います。
こういったことを飲み薬や注射を使って排卵を促す手助けをしていきます。
それでもなかなか上手くいかない場合は、ステップアップを考えている方は体外受精に移行していくことになります。
でもできる事なら自分の力で排卵出来るようになり体外受精はせずに妊娠したいという方の方が多いと思います。
その様なときに、少しでも改善する為の対策についてお話します!
まず、このPCOSが起こる原因はまだはっきり分かっていません。
なのでピルやクロミッドを使った対処療法や体外受精になってきます。
PCOSは体質的な事と考えていただいた方が良いと思います。
ちょっと排卵しにくい体質、卵巣の中に卵が溜まりやすい体質なんだと考えてみてください。
体質を改善するというのが、うまく自力で排卵させることや妊娠するには効果的になってきます。
そこで対策を改善する為の対策として、
1つ目は、卵巣の代謝を上げる!
卵巣の中に古い卵が溜まった状態になっているというお話はしましたがその古い卵が邪魔して良い卵が成長できていないという事になっています。
しっかり高温期の時にP4(プロゲステロン)という黄体ホルモンが子宮内膜や高温期を維持する為にも働いていますが、同時に古い卵を処理するためにも働きかけてくれます。
つまり、P4が古い卵をきれいに吸収できるような状態をつくってあげると、次週期に良い卵が育ちやすい状態が出来ていきます。
このP4がしっかり働きかけるために重要なことは、「代謝をあげる=血液の流れを作る」ということです。
P4が卵巣に働きかけられるよに血液の流れをしっかり作ってあげられることが重要になってきます。
血液の流れを作るために自宅でできるセルフケアはお灸が効果的だと思います。
お灸で骨盤の中の循環を良くするためにツボや神経に沿って刺激を促すことによってP4が卵巣に働きかけるという状態を作ってあげることが効果的です。
もう一つ対策としては、食事が重要になってきます!!
卵巣の中からうまく卵が排卵出来ない原因は卵が未成熟でうまく排卵出来ないこともありますが、
卵巣の壁が硬くなってしまって排卵が出来にくいということもあります。
以前にもブログでお話しましたが、卵巣の壁【細胞膜】を硬くしてしまう原因として食事が関係しています。
食事の中でも「油」が非常に関係しており、良い油と悪い油があります。
悪い油、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸といった油は細胞膜を硬くしてしまいます。
そのため卵巣の壁が硬くなって排卵が出来ない状態になってしまいますので、特にPCOSの方は油の摂取に気を付けていただきたいです。
逆に細胞膜の状態を良くするためにも「油」は関係しているので、良い油のオメガ3脂肪酸などを積極的に取りましょう。
身体にとって良い油をしっかり摂取してあげて細胞膜の状態を良くしてあげる事で、細胞膜の状態を良くしてあげて、
細胞の壁を柔らかくすることで排卵を促すことになりますので、
PCOSの方は食事が非常に重要な要素になってきます!
あと、食事で言うと、PCOSの方は血糖値が高くなる傾向があります。
インスリンがたくさん分泌されると卵の質の低下が考えられますので、インスリンをたくさん分泌させないためにも糖の摂取も気を付けていただいた方が効果的になります。
このように体質を改善してあげる事、卵巣の中の代謝を上げる事や食事を気を付けて卵巣の壁が硬くならない努力をしてあげる事!
このような事をしていただくプラス病院での誘発剤なども効果的になってきますので、PCOS対策をしっかり行って妊活を頑張って頂けたらと思います。